クリスマスと贈り物

エスキリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。
ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子と産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」
このすべてのことが起ったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。
ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。(マタイ1.18-24)

六か月目に、天使ガブリエルは、ナゼレというガリラヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめマリアといった。天使は、彼女のところに来て言った。
「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。すると、天使は言った。
「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、園子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの意を治め、その支配は終わることがない。」
マリアは天使に言った。
「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」
天使は答えた。
聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリサベトも、年をとっいるが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのにもう六か月になっている。神にできないことは何一つない。」
マリアは言った。
「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」
そこで、天使は去って行った。(ルカ1.26-38)

いわゆる受胎告知の箇所。