生命科学の歴史

  • 序説 現代の科学史叙述法における認識論の役割

認識論と科学史の関係を検討しようと企てる者は、最初からある確認をせざるをえないp5
問題を正しく立てるためには、そのような確認をせざるをえないという事実それ自体から教えられるところが多いp5
この事柄に関しては、現時点において具体的研究実例よりも宣言とかプログラムの方が多いということであるp5
それ自体一つの歴史をもつ学科である科学史に相対すると、認識論は一見するとあいまいな立場にある。p5
科学史を実践し生産している者にたいして、その書き方あるいは構成法の規則として認識論研究者が今日主張使用と努めている諸概念のいずれも活用しなかったことで、十八世紀と十九世紀の科学史家をもし非難するならば、それはまったく無意味なことである。p6