ヨーロッパ思想史のなかの自由

目次
はじめに
第一章　「自由」の倫理的力―歴史的出自の理論的考察
第一節　問題の理由と意図
１　問題の理由
２　講義の意図と方法
第二節　仮説と分析枠組
１　仮説その一 ―「自由」の倫理的力
２　仮説その二　―〈政治〉と〈非政治〉の緊張・〈政治的自由〉と〈非政治的自由〉
３　分析枠組　　―〈主体〉・〈状態としての自由〉・〈能力として自由〉
第二章　古代ギリシア・ローマの自由論
第一節　プラトンの「自由」批判
第二節　アリストテレスの政治的自由論と選択意志論
１　政治的自由論
２　選択意志論
第三節　キケロの自由論―政治と非政治のせめぎ合い
第三章　自由意志説の形成と展開
第一節　アウグスティヌス『自由意志について』
[間奏曲１]自由意志VS必然論
第二節　トマス『神学大全』の自由意志説と政治論
１　自由意志説
２　政治論
第三節　カリタスと友情（友愛）
１　カリタスの作用力
２　政治への対抗原理としての友情（友愛）
第四章　自由意志説の継承と変容
序説　〈政治〉の時代としての近代―問題の提示と選択
第一節　倫理説としての自由意志説の継承と変容
１　デカルト
２　ロック
[間奏曲２]「近代自然法」−自由意志論の後退
第二節　自由意志論的基礎の上に立つ契約説政治理論
１　スアレス『諸法および立法者としての神について』
２　自由意志論によるロック『統治二論』の読解
第三節　モンテスキューにおける自由意志説と自然法論
第四節　〈能力としての自由〉と〈状態としての自由〉の乖離
１　ヒュームの自由論―『道徳・政治・文芸論集』を中心に
２　ルソーの自由論―『社会契約論』まで
第五節　十九世紀以後の自由論
１　ヘーゲル『歴史哲学』―「精神」による自由意志の空洞化
２　〈自由主義〉における自由と国家―結びに代えて
あとがき