準備

1.導入 <<問題は何であるか>>

 議論を必要とする性格のものであるか
 説明を必要とする性格のものであるか

2.区分 <<取り上げる問題>>

 『対象』『前提』『方法』『想定読者』『書き手の意図』の明示、論点の整理と共有

3.本論 <<教導>>

 教会が論点に対して取る立場
 論点について論じる適切な『回勅』*1は何であるか(参照するのは新しいものが望ましい)

  • 回勅の歴史的位置

  つまり、問題に対し過去カトリック教会がどのような立場を取り、対応してきたのか <<歴史性>>

  • 回勅において示される理論

 歴史においても変わらず主張されているのは何であるか、又それが主張されるに値する根拠がどこにあるのか <<普遍性>>

  • 回勅は具体的な問題に対して何を述べているか

 それは具体性を持つものであるか <<適応>>
 注:回勅中の議論において上記の側面は明示されるものであるから、ことさら必要を感ずる場合を除き、回勅本文での言及、脚注で対応可能・・・ただ、議論の性格上、補足、強調の必要な場合は第4項で提示する

4.異論および対論 <<神学および哲学>>

 教会の主張を歴史的、普遍的側面より提示したが、それに対しての異論、対論はどのようなものがあるか(*異論→「対象」「前提」「方法」のいずれかが異なる:対論→諸々の要素は共通であるが推論において相違がある)
 a.理論的に想定される異論、対論(列記)
 b.想定される論が、過去の議論に見出されるか(初期教会から現代まで)
 c.それぞれの論は<理論>を問題とするものか、それとも<具体的適応、実践>を問題とするものか
 d.それぞれの論は教会の示す理論と「信仰」において一致しないものか、それとも「道徳」において一致しないものか
 e.それぞれの論の真偽及び妥当性の判断
 注:私見を展開する場合、この項において行う

5.結論

 イ)論点に対して教会はどのような主張をするか
   1)歴史的位置 2)理論 3)適応
 ロ)論点に対してどのような議論がありうるか
   1)第四項整理 
 ハ)結語

6.展開及び補足

 a.今回の論点が教会のとる立場全体においてどのような位置にあるか
  イ)カテキズム中で論点を取り扱う箇所
  ロ)カテキズム全体においてその箇所が占める位置
  ハ)近接領域及び関連箇所
 b.問題に対して取り得る他のアプローチ
  イ)第二項目の整理と見直し
  ロ)今回の議論で補足されるべき、ないしさらに議論されるべき点の列挙と整理
  ハ)第二項目に戻り他のアプローチが可能であるか、『対象』『前提』『方法』等の見直し
 c.第四項で明らかになった相違点の整理と展開
  イ)異論及び対論の補強、補足
  ロ)神学及び哲学外の領域との関連を補足
 d.参考文献

7.論全体において注意すべき点

 論を展開するに当たり、「理性から見てどうであるか?」「霊性から見てどうであるか?」「信仰から見てどうであるか?」「道徳から見てどうであるか?」「良心から見てどうであるか?」「良識から見てどうであるか?」の6つの視座を常に意識して行う。
 議論を必要とする性格の問題であっても第三項までに重点を置くこと、第四項はおのずから対論、異論者により書かれ、議論されるものであるから。

*1:ここでは『回勅』をあげたが、まず教導職及び教導権の範囲、またそれがどのように表されているのかが考察されるべき