『創世記にみる道徳律〜生政治を背景として〜』

  • 生殺与奪件と父権
    • 父権及びそれに基づく君主の統治

カール・シュミット

トマス・アクィナス

ジョン・ロック

  • 死について

創世記2.16-17 主なる神は人に命じて言われた。「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」
ここでのオーダーは、死から人を遠ざける目的をもったもの。

  • 知恵について

 重要な焦点は二つである。アダム及びイブには、善悪の知識が存在しなかったという点である。しかしながら、彼等はお互いを助け他の被造物を支配し、神と対していた。つまり彼等は倫理をもち合せていなければ、必要ともしていない。もう一つは、善悪の知識がなぜ死に結びつくのかだ。

  • 恥について

 創世記2.25 人と妻は二人とも裸であったが、恥ずかしがりはしなかった。
 創世記3.7-11 二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした。その日、風の吹くころ、主なる神が園の中を歩く音が聞こえてきた。アダムと女が、主なる神の顔を避けて、園の木の間に隠れると、主なる神はアダムを呼ばれた。「どこにいるのか。」彼は答えた。「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」神は言われた。「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」

  知恵の実を食べる以前は裸であるが、恥ずかしがっていない。3章において知恵の実を食べることにより、目が開け自分たちが裸であることをしる。裸であることを理由に神を恐れ、隠れるようになる。     
  重要なのは、死と知恵、知恵と恥、恥と神に対する恐れがそれぞれ連関していることである。