勉強会レジュメ

  • はじめに

今回は、2-24で中心的に扱われている<生政治>の概念について考察します。二章で扱われていた「回教徒」理解の中心をなすものが、生政治です。アガンベンは、『ホモ・サケル 主権権力と剥き出しの生』『人権ノート』『例外状態』において生政治を中心的な課題として取り扱っています。ここでは二章で扱われた「回教徒」が生政治においてどのような意味を持つのかについて考察していきたいと思います。

  • 生政治について

生政治の概念について、アガンベンミシェル・フーコーの<生政治>の概念に依拠しています。しかしながら、アガンベンは、フーコーの概念を下敷きにしつつも、シュミットの<主権>概念および<例外状態>を基点にアリストテレス以来の古典ギリシア世界から現代世界の基底に<生政治>の概念が潜んでいると指摘しています。
ここでは、アガンベンが主に依拠しているアリストテレスホッブズベンヤミン、シュミット、フーコーを中心に言及していきます。
以下においては、ベンヤミン『暴力批判論』、カール・シュミット『政治神学』、ホッブズリヴァイアサン』、アリストテレス政治学』に関して引用、および付随のコピーなどの資料を用います。

  • <倫理-法律-神>の混同の危険性

アガンベンは1-4において、倫理のカテゴリーと法律のカテゴリー、また神学のカテゴリーとの混同を指摘しています。

  • 法律の含む区域の限界は?

2-15では、「尊厳」の概念が法律に起源を持つものであるとの言及があります。同様の指摘が、一章においても「責任」、「証言」についてなされていました。これはアガンベンの『例外状態』において、<例外状態>つまり法の限界と法自体の起源に関しての考察において中心的に言及されていることの一部の現れと見ることができます。

  • 死の零落について

2-17から2-24において死の零落に関しての記述が続く。

  • 生政治と近代および民主主義について

ここでは他の書籍からの注釈が理解を促すものとなると思う。

メモ;
一回目: 2-12から24までで読後不明な点があれば指摘してもらう。
目的:昨年の勉強会の総復習?
問題点の整理(証言論と生政治の問題の交点としてどのようにテキストを取扱うか?)
捕捉資料:現代思想六号のコピー
      補足資料はコピーにすべきか、引用(私のタイプにするか)
二回目の予告?:生政治の概念に関して、「例外状態」テキスト内のグレーゾーンをどのように扱うか