文献表
- カトリック思想 冬季号 第二十七巻 第四号 1947年
<論説>
スコラ的存在論の現代的任務 松本正夫著
永久平和の理念-アウグスティヌス・カント・マルクス- ヨハネス・ジーメス著
宗教の病理的現象 小林珍雄著
小さきテレジアの現代日本への使命 ハインリヒ・デュモリン著
「小さき花」抄 カルメル会訳
対日講和問題 ぺテル・ヘルツオグ著
ソレーム修道院訪問記 野村良雄著
フラナガン師の印象 レナトタシナリ著<創作>
クレメンス・ブレンタノの悔悛 戸川敬一著
詩二題 野村英夫著<書評>
マリタン著「デカルトの夢」 吉滿義彦著「哲学者の神」 ヌイ著「人間の運命」 マクマホン著「一カトリック者世界をみる」 ヘルヴエク著「教育の根本問題」 ワツツ著「すばらしき幻影」 野村良雄著「芸術と宗教」<思想瞥見>
ゲオルク・フォン・ザクセン
経済民主化独占禁止
インド統一の問題とカトリシズム
- カトリック思想 秋季号 第二十七巻 第三号 1947年
<論説>
国際秩序と自然法 ヘルツォグ著
ヒユーマニズムとカトリシズム ロゲンドルフ著
神の言と聖書 野田時助著
ルネサンス期以後のゴティーク芸術観 柳宗玄著
無限なるものへの音楽家-アントン・ブルックナー- ゲッペルト著
近代中国における労働運動 岡村忠正著
三つの世界 レオ・チベサー著
東と西を結ぶもの-マーゲル氏の逝去を悼んで- 野村良雄著<創作>
第二の春 J・H・ニューマン著 巽豊彦訳<書評>
フィステル著「基礎神学講話」 ソロウキン著「現代の危機」 ノース著「イエズス会を再建するもの」 レッバッハ著 戸川訳「カトリック社会観」 シュッテ著「日本の風習気質」<思想瞥見>
カトリシズムと共産主義 産業社会化の限界
- カトリック思想 夏季号 第二十七巻 第二号 1947年
<論説>
戦犯裁判と報復戦争の概念 エリッヒ・フーラー著
ジルソンの中世哲学研究-トーマス哲学史における地位- 小松茂著
世界労働運動の動向 小野豊明著
旧約の天啓とキリスト教会 パウロ・フィステル著
人為的産児制限について ニコラス・ロゲン著<文藝>
ジョルジュ・ベルナノス-曙めてある者- 木村太郎著<書評>
ベルジァエフ著「近代世界に於ける人間の運命」 川田「ギリシア哲学研究」 田中「教育と権威」 野村「キリスト教的哲学序説」 F・ワズマン著「蟻・蟻の客」 モーリヤック著「テレーズ・ディケルウ」 ウツドゲイト著「パスカルとその妹」 デュフルノワツク著「フランス小説に現われた東方」<思想瞥見>
ベルグソンを悼むマリテン夫人
二つの大戦とヨーロッパ世界
愛と赦し
編集後記
カトリック世界観は、中庸の世界観である。いたるところ、両極端の中道を確実な歩度ですすんでゆく。ニコラス・クザーヌスの言葉によれば、真理は「対立するものの複合体」(compexio oppositorum)であるが、カトリック世界観においては、対立するもののこの結合は、いい加減な妥協によるものではなくて、むしろすべての真理を肯定して、それを統一的な秩序に結束することによって生ずるものである。現代の緊急問題に対する満足な解決も、こうしてはじめて、見出されるであろう。
国際関係の最重要問題の一つは、戦争犯罪者の裁判と処罰である。本郷の巻頭論文と最後の思想瞥見の中で、この問題をとりあげ、巻頭では、権利と正義との立場から、この問題の取扱上最も本質的な見方を示し、最後のものは、キリスト教的愛の立場を強調している。緊急な労働問題にも、本号はふれたが、なほ次号以下で、社会問題を諸方面より論究し、それらにカトリック的解決を与えてゆきたいと思っている。また目下重要な産児制限問題をも、本号でとりあげた。トマスの久遠の哲学は、ジルソンがそれを指摘しているとおり、現代的意義をますます発揮してきている。
本号では、創作の代りに、木村太郎氏からフランスにおける神秘的リアリズムの驍将として、モリアックと並び称されるベルナノスの研究をいただいた。以上諸家の御寄稿に衷心より感謝したい。
なお以後本誌の購読、予約申し込みはすべて発売所にお願い致します。
- カトリック思想 春季号 第二十七巻 第一号 1947年
<論説>
教育者の権威 田中耕太郎著
ダンテの秩序の思想 大澤章著
キリスト教とアメリカ文明 ロゲンドルフ著
バロックの時代精神について 野村良雄著
男女共学について ヘルヴェーク著
クローニンについて ハンス・ミュラー著
「聖母マリアの悲哀」と中世演劇 永野藤夫著
大友宗麟とその業績 松田毅一著<創作>
ローマへの道(抄) ヒレーア・ベロツク著 犬養道子訳<書評>
ワルター・ファレル著「神学大全のみちずれ」 エルロー著 宮本訳「聖人たちの横顔」 ヴァリニヤー著「東印度に於けるイエズス会創立・発展史」 ヴェルフェル「ベルナデッドの歌」 ノイエス著「カトリック名詩選」 ヘイズ著「戦時スペインに使して」 小林「ヴァチカン市国」<思想瞥見>
H・G・ウェルズ
ヤスパース 大学の使命
ドイツに於ける精神復興