ニコラス総長について

 大学主催の講演会を拝聴した。非常に魅力的な人物であった。講演の内容に関してはただただ納得するばかりであった。問題は具体的にどのような事柄を実行に移していくかである。あと最後に一つあった院生の質問も非常によろしかったし、私が質問したかったのもその点についてであった。端的に表わすと本学の教授陣、特にカトリックの信仰に導かれて学究を行なう人々は信仰に基づいての真理の探究をあきらめていないだろうか?と言う問いである。特に神学部の先生方は日本において神学を行なうとはどういうことなのか?ここ数日問題にしている神学とはそもそもどのような学問で、何を対象として、何を明らかにすることができるのか、こういった問いに真摯に取り組んでいるようには残念ながら学部生の私にも足りない点が多いと思わざるを得ない。
 講演で述べられているように期待があまりに大きいので至らない点が際立ってしまっているのだと理解できただけでも講演を聴いた価値はあったと思う。
 早期に必要なのが、100年近くの間に行なった研究、業績の確認、整理とそれが日本の社会の中において、特に日本の思想史においてどのように位置づけられるか確認すると伴に、現在の社会情勢その他を明確に把握するよう努めることが先決である。
 何のために私があくせくと資料をコピーし、整理しているのかそろそろ理解して頂いても良いころではなかろうかと思うのだが、どうもそうでもないらしい。兎も角今やってることは今期中で一段落つけたいと思う。