学統と言う問題
学統と言う語があたるかは幾分疑問に思うところだが、ある先生の下で学んでそれを批判的であれ肯定的であれ引き継いで学問を進めて行くというのは世の東西、古今関係なしにある。現在明治から現代までカトリックを主たるものにしているがキリスト教の影響を受けて学問をした人物のリストの作成を行なおうと考えている。当初はカトリックだけでと考えたが、明治以降のキリスト教思想を考えるとどうしてもプロテスタント特に無教会派の影響を考慮に入れざる得なくなってきたためカトリックと言う制限は取り払うこととした。
研究に関してもプロテスタントの学者に対してのものの方が豊富である。この点非常に悲しく思うし、何より情けなく思う。先達の研究や思弁を蔑ろにすることはそれ自体が学問に適さないことであるし、何より知的な誠実さに欠く態度である。このこと一つから見ても如何に戦後のカトリックが学問を重要視しなかったかが理解できる。私はこのような連中に学問を教わるつもりは無い。非常に不快である。
と、全否定をしたいところであるが、このような態度では私も彼らと同じことをするだけになってしまう。故に否定、文字道理の意味で、批判的受容ではなくて、否定的な、全否定において彼等の研究であるとか思弁を受容していくこととなる。以前にも記したが上智の教授方は優秀な反面教師である。