『遠藤周作 挑発する作家』収録 「インタビュー:遠藤順子夫人に聞く」 より

 沈黙を書いた時、それはもう大変なバッシングが起こります。そしてある時、主人がカトリックの教会から呼ばれて、イグナチオに行くんです。私はとても、よう行けませんでした(笑)。そこで、向こうに神父さんが五、六人並んで座っていらして、主人はこちら側の席に一人だけ。そしてオーラルの試験みたいにあらゆる質問をされて、それに主人が答えるという公開講座だったんです。聴いていたのは若い上智大学の学生さんが主だったと思いますが、主人が質問に答えると、もう大拍手なんだそうです。別に主人がサクラを入れてたわけじゃありません(笑)。本当はそこで、遠藤はいかにいけなかったかをわからせるはずだったんだけど、逆効果になっちゃうんで二時間の予定のところを一時間でストップになったということがありました。
 その時分は上智でも、遠藤はけしからんとか悪魔の使いだとか、大変なバッシングでした。p7 (遠藤順子)

 Q:一時期、禁書?処分であったのは耳にするが、どのような具体的な事実があったのか?