自由討議の合間に...

 さて、ジョン・ロックの所論を続けて見て行きたいところですが、例によってより道をいたいします。
 id:nomurayamansuke (以下:萬氏)とid:Barl-Karth (以下:Barl氏)の間で自然“権”(傍目で見る私には両人の議論は自然“法”をめぐってではなく自然“権”についての議論に思われる)について議論がなされているようで、Barl氏の反論中においてなにやら私が弁護人として召喚されているように思われたので二、三の点で弁護をしたいと考える。
 さて、弁護人としてこの度はジョン・ロック氏に証人をお願いしたいと思う。何故か?
 まず、第一にロック氏がプロテスタントの熱心な信徒であるから。第二、それでいてロック氏は自然法論を信仰の立場より擁護するから。第三、多くの人たちがロック氏を民主主義と自由主義の擁護者であると考えるから。第四、にもかかわらずロック氏の自然法論には幾つかの欠落が存在するから。
 ここで、トマス・アクィナスの所論で論じてもよいと思うのですが、何かというとカトリックはすぐに上から目線で自説の擁護するばかりの石頭であるといわれるのもいやですし、両論つまり萬氏とBarl氏に近いが、それでもその両者とも異なる立場から論じてみるのが読者のために適当であるとも考えるからです。